旧鳥潟家住宅 (秋田県指定有形文化財)
鳥潟(とりがた)会館は、花岡村の肝煎を代々務めてきた鳥潟家の住宅で、庭の拡張と邸宅の増築のために、宝暦年間(1751〜1764)に新築されたとする旧主屋を曳き屋して移動した後、増改築が行われました。
鳥潟家第17代当主の鳥潟隆三(医学博士)は、昭和11年(1936)に京風の意匠を取り入れ、約5年の歳月を要して延べ1,000人を超える京都の大工・左官等の手によって整備しました。庭造りには京都から造園師を招き、庭石に京都の鞍馬石を使うなど、京風の情緒豊かな庭園として、建物と共に東北地方有数の文化遺産といわれています。
旧家の佇まいを残しつつ、随所に京風の意匠が取り入れられています。2階には茶室が設けられました。鳥潟家に残る書簡などから、邸宅の整備には京都を中心に活躍した成行兼太郎も棟梁として携わっているとされています。
増築された座敷の天井には屋久杉などの吟味された銘木が使用されています。土間や台所がある西側部分には地下倉庫(25畳)が備えられ、土間上部にはトラスの小屋組が見られます。
秋田県指定文化財(建造物)。
床面積:791㎡ 桁行39.0m 梁間17.3m
所在地:大館市花岡町字根井下156
建築年:1761または1762年 増改築 昭和11年(1936)
旧鳥潟家住宅庭園(国指定名勝)
旧鳥潟家住宅庭園は、昭和11年(1936)に邸宅の整備とともに拡張・整備されました。 池を中心とした地割りがよく計画され、石組などに京都風の手法が見られる県内の代表的な庭園です。
隆三博士の意思により各地から良材が取り寄せられ、とりわけ、主屋東縁には長さ3mを超える京都の鞍馬石による沓脱石が見られます。
表門、中門のほか、内露地には茅葺きの草庵茶室、茶室待合、四阿(あずまや)、社殿があります。
庭園は四季折々の姿を見せるため、訪問者を飽きさせることはありません。春はツツジの繚乱、夏は力強い蝉しぐれ、秋は燃え盛る紅葉、冬は白銀の世界が皆様をお待ちしています。
長らく秋田県指定名勝でしたが、令和6年10月11日に国指定名勝に指定されました。
敷地面積:8191㎡ 池面積377㎡
鳥潟会館附属郷土資料庫
鳥潟家の土蔵(右一博士の父が建築)を改装し、1階には、隆三、右一、小三吉の三偉人の遺品や近世花岡村の肝煎を務めた鳥潟家に伝わる資料を展示しています。2階には花岡に伝わる民俗資料を展示しています。
見学:無料(事前申し込み不要)
- 9時~17時(4月1日~10月31日)入館は16時30分まで
- 9時~16時(11月1日~3月31日)入館は15時30分まで
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝・休日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
施設利用:部屋を有料で借りることもできますが、文化財保護のためお食事はできません。
申し込み:大館市立鳥潟会館 0186(46)1009
アクセス
秋北バス
「北陽中学校線〔繋沢経由〕」鳥潟会館前下車(約20~30分)
自家用車
鳥潟会館正面の駐車場をご利用ください。大型バスも駐車できます。